四半期評価制度について

人事評価制度の運用は上半期と下半期に分けて行われ、年に2回、評価を実施している企業が多いようです。もちろん、人事評価制度は企業だけでなく、国家公務員など民間企業以外でも行われています。法律で定められており、人事院のWebサイトからの引用となりますが、人事評価は、「任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とするために、職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力及び挙げた業績を把握した上で行われる勤務成績の評価」(国家公務員法第18条の2第1項)とされています。人事評価制度は、能力・実績に基づく人事管理を進めて行く上での基礎となる重要なツールであるとともに、人材育成の意義を有するものでもあります。

また、民間企業と違う点もあり、国家公務員では以下のように定められています。能力評価は、10月1日から翌年9月30日までの期間を評価期間として、職務遂行するに当たり発揮した能力を評価するものとして年1回行われます。業績評価は、10月1日から翌年3月31日までの期間及び4月1日から9月30日までの期間を評価期間として、職務遂行するに当たり挙げた業績を評価するものとして年2回行われます。

(参照:人事院「人事評価」https://www.jinji.go.jp/ichiran/ichiran_jinjihyouka.html)

半期ごとにしない理由

企業においては、公務員のような取り決めがあるわけではありませんが、賞与の査定などに合わせて、決算期を起点に上半期と下半期に分けて行われることが慣習となっているようで、統計資料などはなく推察の範囲にはなりますが、概ね、年2回人事評価を行うことが定着しているようです。そして企業によって変わりますが、その6か月の間に幾度かのフィードバックや進捗管理を行うケースが見られます。この頻度は企業によってまちまちです。

 しかし、昨今、働き方改革が政府主導の元、推し進められており、業務効率化と生産性向上が企業の課題となっています。法改正以降の2020年、内閣府の発表によると長時間労働を行っている者は引き続き存在するとのことで、総務省「労働力調査」を用いて、おおむね規制対象となる1か月201時間以上の労働を行う雇用者数の推移をみると、大企業の残業上限規制が始まった2019年度までに緩やかに減少したものの、2019年度平均で正規職員には768万人、非正規職員は92万人、役員を除く雇用者全体では860万人(総数の15.1%)も201時間以上労働を行った者が存在するといったデータが示されています。

(参照:内閣府「働き方改革の進捗」https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je20/h02-02.html)

 以上のデータからも分かるように、業務の効率化と生産性向上は必須のものであり、強い組織へと変革していく上では、DX化は避けて通れないものであると再認識させられます。スピード経営を念頭においたとき、経理は月次決算、四半期決算などを行い、経営層による経営判断が少しでも早くできるように創意工夫をしています。人事も同様に考えたとき、人事評価制度を半期ごとではなく、四半期ごとに行うことで、人材育成のスピードアップを図れる可能性があるのではないでしょうか。

加速する成長スピード

 本来、人事評価制度とは、給与に紐づけるべき仕組みではなく、企業にとって中長期的な観点での人材育成の仕組み作りと考えるべき制度です。そのため、評価期間中において上司から部下への進捗管理やフィードバック、目標管理、そして、状況に応じて1on1ミーティングを行いながら、何度もコミュニケーションを行うものであるべきです。あくまでも人材育成が主目的である以上、達成不可能な目標を立てることはせずに、ギリギリ達成できそうな目標を立て、その目標に向かって努力することで、それが組織にとっての財産となるような人材育成であることが理想と考えられます。その成長スピードを意識的に加速させるためにも四半期の人事評価制度を導入するという方策は良い点が多いと考えられます。もちろんデメリットとしては、人事評価に関連した業務の頻度が増えることによって、業務が逼迫するという可能性もあります。

ツールで加速させる

そのため、政府の方針はDX化へと向かったわけです。業務効率化と生産性向上を成し遂げるには、システムや業務のやり方、また組織風土そのものを変えていくことで、より風通しの良い組織を作り出し、社会情勢の変化にも遅れず対応できるような組織を作っていこうという狙いがあります。DX化はデジタル・トランスフォーメーションの略ですが、絶対にデジタル化しなければならないという意味合いではありません。しかしながら、システムなどを導入して業務効率化ができるのであれば、その言葉の通りデジタル化へと進んでいくべきだと言えます。同時に組織風土もより柔軟に対応できるよう風通しの良い職場作りを進めながら、同時進行でシステムやクラウドなどのツールを用いて、人事評価制度関連の仕組みを構築し、よりスピード感を持って、次世代の人材育成に着手していく必要があると考えなければなりません。ハンコレスが進むようにペーパーレス化も進めていくことで情報の共有化もしやすくなります。何でもかんでもデジタル化すれば良いというわけではありませんが、デジタルで仕組みを変えることで好循環がでる業務については迅速にシステムを導入していくべきでしょう。

見える化の重要性

システムを導入する最大のメリットは、クラウドであれば、情報の見える化です。進捗状況もそれに対するフィードバックも、評価内容も権限設定などロールの設定をすることで、人事評価制度はより身近なものに変わっていきます。1on1ミーティングもしかりです。半期に1回などと言わず、気になることがあれば随時行っていき、その履歴を共有していくことができます。つまり情報を常に新鮮な状態にしていくことで形骸化することを防ぐのが四半期評価制度の最大の狙いとなります。強制的にスピード感を出していくことで、そのために業務の効率化を図るようになり、生産性も向上し、売上や経常利益といった部分だけでなく、中長期的に活躍する人材育成に注力していくことが不可能ではなくなります。いえ、それを可能にしていかなければ企業としての生き残りは難しくなっていくのかも知れません。特にIT分野では人材不足が叫ばれており、政府においては、厚生労働省主幹のもとキャリア形成の支援が行われています。そのような時代背景も鑑み、DX化のできる業務で特に人材に関する人事評価制度などは取り急ぎ、刷新をしていくべきだと言えるでしょう。

beep人事では、「HR Tech」に関して、従業員エンゲージメント向上のための目標設定・目標管理(OKR)や、1on1ミーティング、360度評価など、企業の課題に合わせて、コンサルティングから導入支援まで、準備段階から現状診断などのフェーズを経て、ワークショップや説明会の実施など、定着化を前提として人事評価制度導入の支援をさせて頂いています。人事評価制度の刷新などで困りごとがあれば、ぜひ弊社までご連絡ください。