人事評価制度導入より大切な経営理念を考える

企業の経営に関して必要なものとは「人・物・金・情報」とよく言われます。であれば、一番大切なのは最初に挙げられる「人」であり、標題に掲げた経営理念よりも「人」に関する人事評価制度の方が大事ではないかと唱える方もいらっしゃるかも知れません。もちろん、間違いではありませんが、その組織を動かす「人」は想いや感情を持って働いています。こうなりたい、こんな風に働きたい、社会貢献に繋がるような仕事がしたいなど、人それぞれ理想を持っています。

その理想を人生設計における将来ビジョンとするなら、経営においての将来的なビジョンとは理念そのものです。経営理念には企業の向かっていく方向性や社会的なバリュー、目指すべき道筋が描かれています。ここで念のため企業理念と経営理念の違いについても触れておきたいと思います。企業理念は「マインドアイデンティティ」とも言われ、存在意義そのものです。一方、経営理念は経営に関しての活動方針の基礎となる基本的な考え方を表します。理念という言葉がどちらもつくため区別しづらいかも知れませんが、少し意味合いが違います。

どのように経営理念を考えるか

さて、人事評価制度よりも経営理念の方が大切だと言えるのは、経営の基礎となる部分だからです。その基礎の部分が社員のモチベーションに大きく影響します。例えば、いくら給料が良くても、社会的バリューがなければやりがいを感じないという考え方もあります。

 そのため、経営理念をどのように考えていくかは大変重要です。経営理念がなければ「経営ビジョン」「経営戦略」「経営計画」も考えることができません。経営ビジョンでは、将来的に、また中長期的な観点で企業が目指したい将来像を具体的に示します。そして、経営ビジョンを達成するためには、経営戦略を練る必要があります。どのように「人・物・金・情報」といったリソースを有効に使って戦術を立てていくか考えるフェーズです。その経営戦略を具体的な行動計画に移していく上で、経営計画の策定が必要とされています。つまり、経営理念や経営戦略がなければ、「人・物・金・情報」のリソースを有効活用する以前の問題であり、経営の基礎となる経営理念を明確にしていくことが第一ということになります。

実際に書き出してみること

経営理念を考えるにあたって以下の7つの方法でアプローチしてみましょう。

  1. 社長の想いを書き出す
  2. 他社の経営理念を参考にする
  3. 従業員や役職者からも意見を求める
  4. アウトプットした理念を3~5つほどに厳選する
  5. 経営戦略や経営計画が実行できる理念か考察する
  6. 時間をかけて熟成させ、より吟味する
  7. 5~10年後も活きている理念か検証する

経営理念がまだ定まっていない場合を想定して説明しますが、いきなり経営の根幹となる経営理念を考えるのは難易度が高いと言えます。そのため、少しずつ組織作りを行なうことがゴールへの近道となります。もし、何から手をつけていいか分からない時はできそうなところから着手していきましょう。まずは骨子となる理念をどのように策定するかで今後の経営方針が変わります。企業が目指すべき方向性が理念そのものだからです。

まず、社長の想いや、他社の意見も参考にしながら書き出していきましょう。そもそも経営理念の策定は社長の仕事です。社長自らが想いを書き出し、時には役職者などにも意見を聴きます。そして練り上げた案を3~5つほどに厳選していきます。その理念から経営戦略などが立てられるか、また、ビジョンとして明確に社員に伝わるか、5~10年後も活きているか、社会的なバリューが見いだせるか、様々な角度から検討を重ねて考えてみましょう。

書き出した案を練り直す

厳選した案を並べて比較検討し、企業の定款にある目的や企業の存在意義と経営理念のビジョンが合致しているか、そのビジョンをクレドや社是にしていくことができるか、事業の方向性とずれていないかを確認します。なお、経営理念が定まれば、経営戦略や経営計画、年度目標など、各部門の目標設定などのフェーズに移っていきます。

当然ながら、理念は一度決めたら、簡単に変更するものではありません。長期にわたり、その理念のもと経営を行っていきます。そのため、書き出した案を何度も練り直し、時間をかけてでも熟考し作られるものです。社長はとても忙しいため考える時間を作るのも難しいかも知れませんが、経営理念のみを考える時間を強制的にでも作りだすくらいの気持ちが必要です。そして、厳選した案は時間をかけて熟成させ、より良いものに仕上げていく作業が必要です。知り合いの経営者に相談するなど、客観的な視点からの意見も参考にするのも良いです。何度も何度も見返し、仕事の終わった後にも考えて、たくさんの過程の中で、より良い表現を探していきます。

どのように検証するか

練り上げた3~5つの厳選した案をひとつの経営理念にしていきます。ここで大切なのは、その経営理念で5年後、いや10年後を想定したときに、全社員が頑張って働いている姿が想像できるか、また、社会的なバリューを考えた時に不足はないか、これで間違いないと思うことができれば、理想とする経営理念ができあがるはずです。

 最初に立ち返りますが、経営理念は人事評価制度よりも大切だと冒頭で述べましたが、それはあくまでも優先順位において、先に策定すべきは経営理念だということです。良い経営理念があれば、人事部門においても良い人事理念を考えるべきだと思われます。働き方改革など、働き方の多様化が進む中、企業の在り方は臨機応変に変化を遂げていかなければいけません。その時に重要な役割を果たすのが人事です。良い人材を育てることができるか、確保することができるか、良い人材が去ってしまうことがないか、社員が納得できる人事評価制度が運営されているか。企業のリソースの中で一番重要なのは「人」であり、人事評価制度の重要度はとても高いものと言えます。

 経営理念に焦点をあて、経営理念の在り方について説明をしましたが、最後は人事評価制度の重要性にも触れておきたいと思います。企業理念および経営理念に基づき、人事理念も重要です。人事評価制度は、社員のモチベーションをあげるための仕組みでなければなりません。社長が忙しいなか時間を捻出して理念を作り上げたように、人事も忙しい職種ではありますが、社長同様に時間を捻出して、よりよい人事評価制度を作っていく必要があります。形だけの制度ではなく、社員が一生懸命働きたいと思えるような人事評価制度を作らなければいけません。とはいえ、日々の業務が忙しくて、なかなかそこまで考える余裕がないという人事担当者が多いと思います。弊社はそんな人事担当者を支援する企業であり、beep人事ではDX化をサポートしています。忙しくて時間が割けないなら、それこそDX化の専門家を使って頂いて、できることはないか探していくことも大切です。弊社はHR領域のクラウドサービスを提供しているシリコンバレー生まれの企業です。OKR(目標管理)や1on1、360度評価など、人事評価制度のDX化にも強みを持っていますので、お気軽にご相談ください。